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2012/12/03

Things Left Behind

Dscf2473

先日MIMOCAのミュージアムホールで先行上映された
「ひろしま 石内都・遺されたものたち Things Left Behind
を見てきました

映画、トークショウとも居眠りしてしまい

内容をちゃんと把握できていないこともありますが
それよりいびきをかいて静かな映画、
トークショウをぶちこわしていないか

がちょっと心配ですw

さて、映画で印象に残っているのは
広島平和記念資料館に納められている
被爆者の遺品の撮影風景でした

 今から40年くらい昔になるでしょうか
 子供の頃に訪れた資料館では
 多くの遺品が簡単なガラスケースに
 ごくシンプルに陳列されていたのですが
 手にとれそうなその生々しさに
 衝撃をうけたのを
覚えています
 数年前、久しぶりに訪れた資料館はすっかり立派になって
 展示にも工夫の凝らされた演出がされていましたが
 どこか現実味が薄いというのか
 生々しさが感じられませんでした
 僕が年をとって鈍くなったのでしょうか?

一般的にモノ撮りと言えば
ライティングをはじめとして
大がかりになるものだという印象ですが
石内さんの撮影風景は極めてシンプルなもので
自然光の入る資料館の廊下の端で
床においた遺品をそのまま
窓から入る自然光のままに
(レフもなにもない)
撮影するというもので、
しかも三脚すら据えず
小型カメラを手持ちで撮影していました

しかしそのことでかえって
撮影された遺品の生々しさが感じられるのではないかと
40年前の資料館のことを思い出したのです

資料館の遺品が立派な収蔵庫にきちんと整理されて
保管されている様子も紹介されていました

しかし本来「遺され(てしまっ)たもの」は
そこに似たような想いが集まってきて
本来の意味が化けてしまうまえに
成仏させてあげるべきものなのだと思います

亡くなった人が好きだったものを
棺にいれたりすることがありますが
資料館の遺品はそうされることもなく
自然に朽ちていくことすら許されず
眠り続けているということの重さに
滅入ってしまいそうでした

そう考えるうちに石内さんの撮影行為が
朽ちることさえ許されず「遺されたもの」を
供養しているように見えてきたのでありました

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