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2017/07/02

Picking stone

2週間前のアーティスト・トークを聴講したあとに
そういえば志賀さんの本が何処かにあったなと
本棚から 探し出した
「螺旋海岸notebook」を読んだ

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志賀さんが北釜で作品制作・生活を始めた部分がとても興味深くて

これは石を拾うというのも面白そうだぞ、と

MIMOCAの志賀理江子展「ブラインド・デート」関連プログラム

ワークショップ「石拾い」に応募

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そして、無事アクセプトされたのだが
その後読み進めた後半部分
写真論的な部分になってくるととても難しくて
ワークショップに応募したことを少し後悔したのはここだけの秘密(笑)
結果的には杞憂だったわけだけど

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テーマは「自分の石を探して持って帰る」
僕が探したのは色や形の見た目は全く無視
それが自分を表現するものであるとかという
そこに込めるメッセージ性のような要素も全く無視
(結果的にそこが自分の表現になっているわけだけど)
とにかく手に持って手の中で転がしてみて
大きさや重さやバランスや肌理だとか
しっくりきて気持ちが良いと思える石

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手への収まりが良い石ということで
まずは野球のボールあるいはテニスボールくらいの大きさで
角のない丸い石が良いんじゃないかと思って探してみた 
そういう理想に近い石もいくつか見つけたのだけれど
それらはことごとく砂岩で手触りがざらつくし
柔らかい砂岩はきっとあっという間に角が取れてしまったんだろうな
と思うと急にさめてしまって
一転もっと石らしい石が良いんじゃないかと思い直して
結局持って帰ったのは多分安山岩かな?
歪な形で手への収まりは悪いけど密度の高い石になった

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拾った石を持って帰って参加者それぞれが
なぜその石を選んだのかを話すという
ワークショップの締めくくり
いろんな人のいろんな話を聴きながら
持って帰った石を手の中でこねくり回していたら
なんとなくその歪な石が手の中でしっくりくるように感じられてきた

今回の石拾いの所要時間は20分ほど

でも、本当に「自分の石」と出会うのは
きっとそういう限られた時間のなかでは
出来ないことなんだろうなと思う
不確定性原理
(原子がいつ電磁波を放出するか
   時間を確定することはできないというようなこと)
みたいなものだと思うのだけど
いつか必ず見つかるとしても
3秒で見つかるかもしれないし
10年探してもみつからないかもしれない
ということで
日々河原を石を探して歩いていると近所の人からは
「あの人とうとう徘徊するようになっちゃったね」
と噂されそうな年になってきている自分の姿を思い浮かべて苦笑
石といえば猪熊弦一郎が三越の包装紙「華ひらく」のデザインの
モチーフとしたのが海岸で波に洗われる石だったことを思い出した
MIMOCAに収蔵されているその石を見たことがあるのだが
長辺60〜70センチありそうな大きな石だった
持って帰るの大変だったろうなあ
と、いうか今時はそういうことも
オープンに世の中に出ると 「待った」がかかりそうな
世知辛い世の中なんだよなあ
実際、田潮八幡宮の例大祭で神輿が川に入る時
邪魔になる葦を刈るのにも国交省の許可が
なかなかおりなかったりして・・・

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