meaning of looking
高松市美術館の上田薫展をみた
撮影した写真をベースに精緻な描写で描かれたアクリルおよび油彩画
筆を使ったぼかしでよりリアルな表現が可能になるということで
アクリルから油彩へと移行していったのだとか
写真をベースに描かれた、写真と見まがうような絵画に
「まるで写真みたいだ」という驚きは勿論あるのだが
それなら写真そのものあるいは被写体そのものを
提示すればよいではないか
という考え方もなくはないだろう
しかし写真をキャンバスの上に絵の具で描くことによってしか
あらわれてこないものがあると思う
作品はそれを見る側に
果たして今あなたが目にしているものは「リアル」なのか
という単純な問いを投げかけてくる
そこで我々はあらためて「リアル」とはなにか
ということを考える
カメラを構えた自身の姿が映り込んだシャボン玉を描いたシリーズ
には「見る」ということの構造が現れていて面白いと思った
齢90を過ぎて尚、上田は画を描き続けているのだが
彼が今も「みる」ということに
真っ直ぐ向き合い続けている様子に感銘をうけた
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